Clipping Life
日本の夏を涼しくする 建具の歴史と現代の室内建具事情
高温多湿の日本では、古くから「風を招き入れ、熱を逃がす」ための建具が発達してきました。平安の貴族邸から現代のマンションまで、時代ごとに工夫された室内仕切りをたどると、住まいの涼しさを保つ知恵が見えてきます。今回は建具の変遷を振り返りつつ、最新の室内ドアがどのように快適な夏を支えているかを紹介します。
・蔀戸(しとみど)
上半分を外へ跳ね上げ、下半分を外して日差しを遮りつつ風を入れる板戸。格子と簾を組み合わせることで柔らかな光を取り込みました。
・簾(すだれ)
竹を編んだ簡易シェード。直射日光を和らげつつ通風を確保し、室内に陰影と涼感を与えました。
・障子
和紙越しのやわらかな採光が特徴。紙は湿気を吸収して放出するため調湿効果もあり、夏の蒸し暑さを緩和しました。
・夏障子(簾戸/すど)
障子紙を外して格子のみにし、風通しをさらにアップ。取り外しできる構造が季節の衣替えとして定着しました。
・襖(ふすま)
室内を可変的に仕切るパネル。暑い日は外して広間をつくり、風を通して涼を取るなど、多様な使い方が特徴です。
・格子戸
外部用の引き戸として発達。格子の間を抜ける風が室内に流れ込み、建物の外観にもやわらかい印象を与えました。
洋風建築の普及に伴い、丁番で開閉するドアが登場。遮音やプライバシー確保が重視され、室内にも木製ドアが採用され始めます。ガラス入りドアは採光を確保しながら空調効率を高め、夏でも閉めきれる快適さを実現しました。
空調機器の性能向上により、部屋を閉めきることも増えて建具の性能も重視されるようになります。
・引戸でも戸車、ソフトクローズやダブルクローズ金具で静かに開閉し、操作性・安全性が向上
・MDFや集成材芯に特殊シートを貼った建具で軽量化と高い寸法安定性を両立
<昔>
<今>
日本の建具は、暑い夏を涼しく過ごすための知恵とともに進化してきました。蔀戸や簾に始まる風を活かす工夫は、障子や襖を経て、現代の高機能ドアへとバトンをつなぎます。昔ながらの通風の発想と、最新の気密・遮音技術を上手に組み合わせることで、今の住まいでも心地よい夏を実現できます。室内建具選びの際は、デザインだけでなく通気や省エネ性能、機能性にも目を向けてみてください。
#TAGS
SUPPORTサポート
-
ショールーム
バリアフリー体感や生活空間の確認、多彩な商品ラインナップによるコーディネートなどをご覧いただけます。
ショールーム一覧 -
商品カタログ
最新の商品カタログをオンラインでご覧いただけます。
カタログのご請求はご請求フォームか、最寄りの営業所へお申し付けください。
-
メールでのお問い合わせ
ノダ製品についてのご相談やご質問はお問い合わせフォームよりご連絡ください。 よくあるご質問では皆様からよくいただくご質問と回答をご覧いただけます。
-
お客様相談室
お客様のご質問やご相談の電話を受け付けております。
- 0120-51-4066
- 平日 : 9:00~12:00 13:00~17:30
※土・日・祝祭日・年末・年始・夏期休暇・5月連休はお休みとさせていただきます。
※携帯電話からもご利用いただけます。